こども保育専攻

特色・コース紹介

こども保育専攻とは

「教育」の観点と「得意分野」を持った保育者の養成

現代の保育現場は、かつてないほど複雑な課題に直面しています。子どもたちを取り巻く環境は変化し、保育者には高度な専門性と柔軟な対応力が求められています。単に子どもたちを「見守る」だけではなく、幼児期の発達を促し、子どもの持つ力を引き出す「教育」の観点を持った質の高い保育が求められています。

こども保育専攻で目指すもの

こども保育専攻では、このような社会の変化に対応できる保育者を育成するために、以下の2つの柱を軸とした教育を行っています。

1. 保育者としての基本的な知識と技術

子どもたちの心身の成長を促すための基礎知識と保育技術を習得します。

2. 「得意分野」と「高い専門性」の獲得

自分自身の興味や関心に合わせて、「遊び文化」「自然教育」「子育て支援」の3つの分野から1つを選択し、さらに上の専門的な知識とスキルを身に着けます。

得意分野を育てる3つのコース

現代の子どもを取り巻く課題に応える「得意分野」の専門性を身につける3コース

遊び文化コース

夢中になって遊ぶことが、乳幼児期の発達にとても重要な意味を持っています。このコースでは、遊びの発達的意義、遊びの種類・特性や独自性を理解し、遊びの選択と準備、指導を学びます。なかでも、2~3歳児期に重要なごっこ遊びや集団遊び、冒険・探検ごっこなど、代表的な遊びについてじっくり学び、遊びを通して子どものすこやかな発達を援助できる保育者をめざします。

『遊び研究』
地域から遊ぶ場所が消え、自然発生的な遊び仲間が消失していく中で、幼児の遊びを保障する場として幼稚園や保育所が果たす役割はこれまで以上に重大になってきています。本講義ではいろいろな遊びがもつ「固有のおもしろさ」に迫りながら、そこでの保育者の工夫、しかけや援助について考え、実践できる力を育成します。
『子どもと絵本』
「絵本」と聞いてどんなものが浮かびますか?思い出に残る絵本はありますか?絵本は子どもたちの楽しみであるとともに、保育における重要な教材です。本講義では、幼稚園や保育所で実際に読まれている絵本をとりあげ、なぜ子どもをこれほど惹きつけるのか、どんなところに子どもはおもしろさを感じるのかなど、絵本の魅力に迫ります。

自然教育コース

自然の教育力は大きいのですが、近年は、雨に濡れたことがない子どもやアリを怖がる子どもに出会うこともあります。そこで、保育現場ではいままで以上に積極的に植物や動物、昆虫など自然との触れ合い体験を取り入れるようになっています。このコースでは、子どもが遊べる自然がいっぱいの園庭を創り出し、遊具やおもちゃのない自然のなかで子どもに遊びを仕掛ける力を身につけます。

『子どもと植物』
植物が人間の心理・生理に与える影響や生活に果たす役割を学んだ上で、保育現場でよく使われる植物を中心に植物に関する基礎的知識・育て方・具体的な遊び技術・植物遊びを生み出す環境の作り方など、保育現場で活用できる知識・技術を習得します。
『自然遊び指導実践演習』
自然の中では遊具やおもちゃがなくても自然素材を使っていくらでも遊ぶことができます。そうした遊び体験を通して子どもは想像力・創造力を育てていくのです。この授業では実際に体験しながら、自然の中での子どもの遊びを援助するために必要な遊び技術を身につけます。

子育て支援コース

現在、多くの子育て家庭が将来に不安を抱え、悩みながら孤軍奮闘しています。そのような中で、子どもとの毎日を充分に楽しむことが難しい状況に陥っています。このコースでは、現代社会の構造・制度を学び、子育て家庭と連携し、子どもがのびやかに育つ社会について考えます。そして子育て支援ができる保育者として即戦力となる具体的な保護者支援の方法を学びます。

『子育て支援ゼミナール』
子育て家庭を支え、子どもがイキイキ育つ環境を整えることは、社会を豊かにしていくことの基本です。このゼミナールではまず、今、子育て家庭はどのような困難を抱えているのかについて整理します。そのうえで、どんな支援が必要かを保育者をめざすみなさんと、双方向のやりとりの中から学んでいきます。
『子ども理解連携』
保育所や幼稚園、こども園から地域の小学校へ子どもは進学します。入学した子どもの育ちを段差なく支え、安心して学校生活を送ることができるよう、保育者は学校の教職員と子どもを理解するために連携します。実際にどのような連携が行われているか、「保育要録」なども教材として用い、保幼小連携の実際を学びます。

キャリア支援

こども保育専攻では1年次から幼稚園見学、現場保育者による講演、インターンシップなどを通して保育職に向けた実践的キャリア教育を行っています。また、在学期間を通して、各ゼミ担当が丁寧な就職相談支援を行うほか、幼児教育実践研究センターを拠点として、保育職(幼稚園・保育所・認定こども園・児童養護施設等)への採用試験情報の提供、個人面接・集団面接指導、実技指導(ピアノ・造形・運動・読み聞かせ)、志望動機の添削指導を行っています。自宅にいてもWEB上で履歴書や小論文の添削指導が受けられるWEBポートフォリオシステム(tani-WA)も活用でき、教職教育センターキャリアセンターによるバックアップ体制も整っています。

幼児教育実践研究センター

採用試験対策プログラム

採用試験に向けて、センター員による面接指導(個人・集団)の練習を行っています。個別で造形活動や身体活動、ピアノ・弾き歌いなどの実技指導も受けられ、一人ひとりのレベルにあった指導が受けられます。表現技法や指導技術の向上をサポートします。

幼児教育学習支援室

こども保育専攻生だけのための自主学習のためのスペースが設置されています。幼稚園・保育所の採用試験の問題集や保育雑誌を豊富に取り揃え、学生はこれらを自由に使えます。また、採用試験に合格した先輩方から話を聞ける懇親会なども開催されます。

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