国文学科 1977年卒業若林 千鶴[わかばやし ちづる](中学校国語教諭を経て児童書翻訳家)

大阪大谷大学(大谷女子大学)でどんな学生時代を過ごされましたか?印象的だったことをエピソードとしてご紹介ください。

「批評眼」を持つことを学んだ学生時代。

大学に入学後すぐ、堀辰雄研究の第一人者だった小久保実先生の講義を受講。それからはずっと先生の研究室でゼミ生として学び、近・現代文学の手ほどきを受けました。

先生の講義と文壇裏話は大変興味深いもので、どんなエピソードも聞き逃すまいと一生懸命ノートをとったことは懐かしい思い出です。先生の授業では、「批評眼」を持って読むということを徹底して学ぶことができました。

この小久保ゼミに集った文学仲間とは、今でも親交が続いています。

現在、取組まれていらっしゃることは何ですか?どんなことに興味関心をお持ちかなど、〈今〉についてお話しください。

好きな英語と学びを活かし教員から翻訳家へ。

卒業後は、中学校で国語の先生として勤務。子どもたちには、楽しく読んで考える読書体験をしてほしいとの想いを持って指導に取り組みました。退職後は、主に児童書の翻訳に携わることに。2012年には、ジャズの王様、ルイ・アームストロングの伝記物語の翻訳も手がけました。

こうした活動ができるのも、好きな英語と、国文学科で培ったスキルがあるからこそ。還暦を過ぎて言葉と格闘する毎日ですが、これからも心に響く作品を訳していきたいと思っています。

大学創立50周年メッセージ ~ 母校、そして、後輩たちへ ~

学内外で積極的に活動しソフト面の充実を。

今の学生は、私の時代と比べると学習機材・情報量とも豊富で充実した環境で学んでいます。ただ、そうしたハードを使いこなすだけでは人類の英知は学べません。今は、ソフト面がより重要な世の中。生涯続く学びの基礎と人間関係をつくる大切な時間だと考え、どんどん学外へもネットワークを広げて密度の濃い時間を過ごしてください。

私にとっては、大人となる第一歩となった母校。次の50年も、日本の未来を照らす光になってほしいと願っています。