心理・福祉学科 谷 俊英准教授が「公開講座フェスタ2025」にて講演しました

イベント
2025.11.19

人間社会学部 地域連携センター 

心理・福祉学科 谷 俊英准教授が「公開講座フェスタ2025」にて講演しました

11月13日(木)、阪神奈大学・研究機関生涯学習ネットが主催する「公開講座フェスタ2025」において、心理・福祉学科 谷 俊英准教授よる講演『誰もが子どもを支える社会へ ~社会的養育を考える~』が開催されました。

谷准教授は児童養護施設での実務経験があり、児童虐待の予防という現代的課題に対応するための研究に取り組んでおられます。本講演では、こどもを取り巻く現状とこどもを支える社会的な仕組みについて事例を紹介しながらお話いただきました。

今の日本は、昔に比べてこどもの数が少ないにもかかわらず、児童虐待相談対応件数が増加しており、さらには、通報されていない、潜在的なこども虐待の数があるとのことでした。「こども虐待」は「こどもの人権侵害」であり、改正児童虐待防止法(2020年4月施行)において、すべての体罰が禁止されています。
一方で、「子育てに困っているお母さん、お父さんがいる」という視点も大切で、周囲の人から「虐待」を探されることで、余計に追い詰められ、もっと隠すようになってしまうことに繋がりかねないとの指摘がありました。

「虐待を見つけてから通報する」という"事後"の対応ではなく、"予防"の観点から、周囲の人たちが「こども虐待」について正しく理解すること、子育てに困っている家庭を支援する環境を整えることが虐待の予防につながると解説されました。

講演の副題にある「社会的養育」については、代表的な施設である児童養護施設の認知度があまり高いとは言えず、正しい理解と認知は、大きな課題となっていること、諸外国では里親の方が多く、日本では施設養育の方が多いこと、近年では少しずつ里親等委託率が増えてきていること、各地の里親支援センターが支援を行っていること等が紹介されました。

11月は「秋のこどもまんなか月間」で、会場のドーンセンター(1F)でも、オレンジリボン広報啓発(掲示)をされていました。
講演は「誰もが子どもを支える社会」というテーマを、あらためて考える機会となりました。
本講演にお越しくださった皆様、ご協力いただいた事務局の皆様、ありがとうございました。