【心理・福祉学科】【体験レポート】興福寺での瑜伽(ゆが)体験 ― 心を見つめるマインドフルネス実践

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2025.10.16

人間社会学部 

【心理・福祉学科】【体験レポート】興福寺での瑜伽(ゆが)体験 ― 心を見つめるマインドフルネス実践

2025年10月4日、心理・福祉学科の学生が、奈良市・興福寺にて開催された「瑜伽(ゆが)体験 ー 心を静める体験 ー」(企画・引率;上西・浅野)に参加しました。
この体験は、上西先生の授業で学ぶ「マインドフルネス」の理論と深くつながるもので、ご指導いただいた興福寺の辻明俊(つじ・みょうしゅん)執事長からは、「人はそれぞれの心の在り方で世界を構成している。情報に追われ余裕を失いがちな日々の中で、自分の心を静める方法を知ることが大切」というお話をいただきました。

たとえば、海面が波立っていても、水中に入れば静けさがあるように、私たちの心も外側のざわめきに振り回されるのではなく、内側に静かな場所を保つことができる――。そんな例えを交えながら、辻執事長のご指導のもと、「数息観(すそくかん)」と呼ばれる呼吸法取り組みました。

今回は、あえて観光客のざわめきが響く東金堂(とうこんどう)で行うことで、雑音に囲まれた環境の中でも、「心の静けさ」を得ることは可能、という気づきがありました。
雨音や砂利を踏む足音など、研ぎ澄まされた五感を通じて意識が自分に向いていく貴重な体験となりました。
1日1分の積み重ねが一週間、一年につながっていくため、日常でぜひ使ってほしいと締めくくられました。
体験後には、東金堂をご案内いただき、お参りもさせていただきました。

また、このたびの体験が10月13日付けの朝日新聞奈良版の記事に掲載されました。
以下より記事をご覧いただけます。
https://digital.asahi.com/articles/ASTBD4GBWTBDPOMB005M.html

ゼミでの再体験と共有
後日、ゼミでは、辻執事長から頂いた資料を参考に、学生同士が教え合いながら呼吸法を実践しました。そして、それぞれが感じたことや気づいたことを共有し、以下のような声が寄せられました。
・「普段から腹式呼吸を意識しているので、集中しやすかった」
・「自分の“瞬き”に意識が向いた」
・「興福寺での体験をきっかけに、寝る前に呼吸を意識するようにしたら、よく眠れるようになった」
このように、体験はその場限りのものではなく、日常生活や自分自身の意識の変化へとつながっていきました。
理論的な学びだけではなく、学外実践や学生同士の体験の共有を通じて、心理学への理解を多角的に深める教育を大切にしていきたいと考えています。