図書館長四重田 陽美
令和五年度図書館長を拝命しました、文学部日本語日本文学科の四重田陽美(よえだはるみ)と申します。生まれてからずっと、図書館は私にとってとても身近な場所でした。気づけば本がそばにあり、堅い表紙を開けるとそこにはきらびやかなおとぎの国が現れたり、見知らぬ人体の不思議が語られたり、異国の人々の生活がありましたから、本を読むことは生活の一部だったとも言えるでしょう。大学生の頃は、スマホや携帯電話などない時代でしたので、友との待ち合わせは基本的に図書館でした。講義の宿題をしながら、あるいはふと手にした本の内容に没頭しながら、友人がやってくるのを待ったものです。決まった時間の待ち合わせではないので、お互い気の遠くなるほど待つこともあったのですが、不思議と苛立つこともなく、待たせてごめんと駆け寄る友に、今読んだばかりの発見を語る、それが私の大学図書館の「時間」でした。
色々な情報が、片手におさまるほど小さいスマホのおかげで手に入る現代になっても、図書館に足を踏み入れる時のわくわくした気持ちは、図書館でしか味わえません。古い本の香り、高い天井、遠慮がちなざわめきを包み込む静寂の気配、そういったものを体験しに、気楽に訪れ、そして、意外な発見や知見を持ち帰ってほしい。本学図書館では、専門的な知識を持つスタッフと、47万冊の蔵書と、ラーニング・コモンズが、皆さんの学びをサポートするために、来館をお待ちしています。