研究活動

当センターの研究実績

特別支援教育コーディネーターアドバンス研修プログラムの開発・実施・検証研究

小中学校・高等学校・支援学校特別支援教育コーディネーターアドバンス研修

2007・2008年度に独立行政法人「教員研修センター」の委嘱事業として選定された「大阪大谷大学と大阪府教育委員会の連携による教員研修モデルカリキュラム開発プログラム」をもとに、2009~2012年度も大阪府教育委員会との連携により「特別支援教育コーディネーターアドバンス研修」を継続的に実施してきた。2013年度は文部科学省「教員の資質能力向上に係る先導的取組支援事業」の委嘱を受け、通常の学級での支援を志向した授業コンサルテーションスキルを新たに加えた研修プログラムを実施した。さらに、2015・2016年度は独立行政法人「教員研修センター」の委嘱事業「NCTDモデルカリキュラム改善事業」の指定を受け、これまで取り組んできたモデルカリキュラム開発の中にICT活用に加えた実践を行ってきた。こうした一連の研究成果は第46~第52回日本特殊教育学会にて発表を行った。

2017年度大阪大谷大学と大阪府教育委員会との連携研修及び塩野義製薬との共同研究

2017年度は、これまでと同様に、本学教育学部と大阪府教育委員会との連携研修として、さらに、塩野義製薬株式会社との共同研究として研究補助を受けて継続実施している。共同研究の概要は次の通りである。

共同研究概要

  • 特別支援教育コーディネーターアドバンス研修(上級)の開発・実施・検証
  • 過去受講者の実績・成果検証(アンケートによる調査)
  • 研修効果の検証、視覚化、情報発信
  • 研修実施マニュアルの作成、普及

学長裁量経費による教育改革推進プロジェクト

特別支援教育におけるICT活用に関する研究

20142015年度は「特別支援教育におけるICT活用に関する研究‐支援とプレゼンテーションにおける活用事例」として、特別支援教育専攻学生を中心にICTの活用の仕方について授業・演習を行った。タブレット端末やノートパソコン、プロジェクター、無線対応プレゼンテーション用機器、レーザーポインター等を活用しながら、学校現場でのICT活用についてイメージアップと実践力の向上を図った。ICT活用能力の自己評価、ICT活用に対する積極的態度が向上し、教育効果が確認された。研究成果は第53回日本特殊教育学会にて「特別支援学校教員養成課程におけるICT活用スキル向上をめざした演習授業の取り組み」と題して発表を行った。

根拠にもとづくアセスメントを活用した教育実践力をもつ学校教員養成プログラムの開発

2019年度2020年度は「根拠にもとづくアセスメントを活用した教育実践力をもつ学校教員養成プログラムの開発」として,本学教育学部の学生を中心に「根拠にもとづく実践 Evidence Based Practice」の観点から教育実践力を高めるための教育プログラム開発を行った。具体的には,本学教育学部で開講される「特別支援教育指導法演習Ⅰ」において,地域に在住する特別な教育的ニーズのある子どもの発達支援実習(通称:きらり教室)に取り組む学生に対して,心理検査もしくは発達検査の結果や所見を用いながら担当児の特性の理解や支援における配慮事項等の指導を行った。その結果,担当児の行動の背景にある特性に対する理解や,特性に応じた指導実践が多く行われるようになり,教育効果が確認された。研究成果は第57回特殊教育学会学術大会にて「サービス・ラーニングの特徴を生かした特別支援教育に関する学内実習の効果」と題して発表された。

運営委員の研究紹介

教育学部 教授 小田浩伸

小田 浩伸

知的障がい教育・肢体不自由教育における自立活動、発達障がい児・者への教育・心理的援助法(学習アセスメント・SST・臨床動作法等)の実践研究を行っています。現在は、特別支援教育コーディネーターのアドバンス研修プログラムの開発や、幼稚園・小中学校・高等学校・特別支援学校におけるユニバーサルデザインの視点を活かした「わかる」授業づくりの実践研究にも取り組んでいます。

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教育学部 教授 福井美保

福井 美保

早産児、特に在胎週数32週未満の極早産低出生体重児の学童期の問題について、認知機能評価を中心に研究をしています。また、大阪医科薬科大学 LDセンターと協力し、発達障がい特性がそれぞれどのように学習に対して影響を及ぼすのかについての検討もおこなっています。
本学に着任し、教育の領域へも研究対象を広げ、発達障がいのある子ども達を地域で育んでいくにあたり、教育、福祉、医療の連携は重要であり、現状の問題点は何か、円滑な連携にはどのようなシステムづくりが必要かについても、調査・分析を進めています。

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教育学部 准教授 五位塚和也

発達障がいのある人の社会的認知の発達的変化と心理社会的適応との関連性,肢体不自由のある人への心理リハビリテイション,障がいのある人のナラティヴとアクションメソッドを用いた心理学的援助に関する研究を行っています。障がいのある人の観点からみた社会と自分との関係性や,周囲の人々との関係性,自分自身のとらえ方,問題との付き合い方について理解することを重視しています。特に,言語的なコミュニケーションの難しい方々との関わりのなかで,それらの表現化を促すアプローチとして行為や動作を媒介としたアプローチを取り入れています。
また、最近では、小中学校、高等学校,特別支援学校の教員の方々への協働的コンサルテーションに関する実践と研究にも取り組んでいます。

大阪大谷大学教育学部特別支援教育実践研究センター紀要

当センターでの日ごろの実践研究および調査研究の成果は研究論文としてまとめられ、毎年3月に「大阪大谷大学教育学部特別支援教育実践研究センター紀要」として公刊されます。