教員コラム

デンマークの知的障害者福祉 ― ワークショップ訪問 ―

人間社会学部 人間社会学科 社会福祉コース 教授 船本淑恵
絵画1
絵画2
木工

2018年3月11日から16日の6日間、知的障害者の地域生活に関する調査のためデンマークを訪問しました。デンマーク滞在中の3月12日から14日の3日の間に国民学校、作業所、作業所利用者の自宅、住宅施設、生活支援センター、生活支援センターアパートメント、知的障害当事者協会、特別支援学校を訪問し、説明や講義を受けました。今回は、作業所について紹介したいと思います。

その前に、なぜデンマークを訪問したのかについて説明します。デンマークは、「ノーマライゼーション」を法理念として戦後初めて位置づけて、知的障害者福祉を展開してきた国です。第2次世界大戦直後は、コロニーと呼ばれる大規模な施設に知的障害者が「収容」されていました。現在は、施設が廃止され、地域の住宅で生活する条件が整えられています。

今回訪問したノーフュンスワークショップは、元工場を改修して作業所として運営されています。外観も明るく、内装も木が多く、落ち着いた雰囲気の建物でした。訪問した時間は、作業が終わるタイミングで、皆さんが帰宅準備をしたり、体育館で運動をしていました。突然の訪問にも関わらず利用者の方たちは、訪問者の私たちをフレンドリーに迎えてくれました。また、通訳の方の昔からの知り合いらしく、作業所内の案内も買って出てくれました。作業所の職員もいるはずなのですが、通訳の方が簡単に挨拶しただけで、自由に見学させてもらえました。作業内容は、木工、絵画などです。様々な製作を行なっているので、必要な材料や用具が多いのですが、整理整頓がなされ作業スペースが十分に確保されていました。いずれの作業を行うのかは、利用者が選択するとのことです。特に絵画の作品の鮮やかであったことと、誇らしげに製作中のパネルを見せていただいたことが印象に残っています。作品の販売も行われていたので、購入しようとするとお土産だと言って数枚の絵ハガキをいただいてしまいました。

作業所作品