教員コラム

フィリピン < 子ども支援ボランティア > キャラバン

教育学部 教育学科 幼児教育専攻 准教授 岡みゆき
Pillia Elementary Schoolでの歓迎
日本の衣装で歓迎してくれる子どもたち

毎年、夏休みにフィリピンで子ども支援のボランティア活動を行っています。現地の幼稚園やプレイスクール、小学校で運動遊びや生活習慣改善の講習を行い、子ども達と、その保護者へ「健康」についての知識を持ってもらうことを、ねらいとしています。キャラバン隊は、日本から有志の大学教員・学生、フィリピン在住日本人、赴任中の駐在員とその家族、フィリピン教育省の職員で構成されています。

近年、国際教育ならびに様々な国際交流活動は豊かな教養を備えた人材の育成につながると海外留学・研修を行っている大学が増えています。多感で好奇心旺盛な学生時代の海外での経験は、知見を広げる良い機会だと感じています。学生時代にしかできない海外でのボランティア活動で多様な経験してもらいたいと、ゼミ学生にも話をしています。

さて、支援内容に話をもどしましょう。

フィリピン社会は5%の富裕層、10数%のアッパーミドル、80%以上を占める貧困層という社会構造で成り立っているといわれています。スモーキィマウンテン(ゴミ山)の子ども達という貧困層への支援やボランティア活動を連想されることが多いと思いますが、私たちが行っている活動は、子どもの健康や運動の重要性を理解してもらうための活動です。毎日を生きるために一生懸命な貧困層の子どもたちに、「楽しく運動しましょう。」というメッセージは届きにくく、アッパーミドル層の子ども達への支援が主になっています。

日本では、生活習慣を整えるため文部科学省が提示している標語「早寝、早起き、朝ごはん」があります。ですが、フィリピンでは、学校は朝の7時から始まるため、子ども達は5時過ぎには起きだし学校に行く準備をします。早寝早起きは、あたりまえのことでした。

社会で活躍する女性(母親)が多く(ジェンダーギャップ指数でフィリピンは世界8位、日本は110位)女性の社会進出が進んでいます。そのことを支えるために、ベビーシッター制度が充実しています。

このように実際に現地で経験したことから学ぶことが多くあります。活動終了後には、気に留まった出来事をキャラバン参加者と話し合います。多様な視点で意見を述べ合うことで自分の意見を持つ大切さにも気づかされます。例えば、ベビーシッターについての意見交換会では、

学生①
「ベビーシッターが働く女性にとっては重要であると考えられるけど、学校に行く子どもの身支度や朝食の世話をするのはベビーシッターの仕事で、親子ふれあい遊びの指導に、ついてきているのもベビーシッターだったよね。」

学生②
「ベビーシッターは見守るということに徹していて、運動遊びには参加してなかったね。」

学生③
「子どもが転んだりしたときには飛んできて子どもの様子を大変気にかけていたけど、一緒に運動してなかったよね。子どもは、親と一緒に運動遊びをしたかったも・・・。」

正解は、ありません。感じること、考えること、意見を話すこと、共有すること、相手の意見を受け入れること。それぞれの国の、それぞれの立場で話し合うことで、大切なことが見えてきます。海外でのボランティア活動は、普段、経験できないことがたくさん詰まっています。

私は、これからも、フィリピンでのボランティア活動を続けていこうと考えています。フィリピン社会での「ベビーシッターと子どもの運動遊びとの関係」を、研究してみたいと考えています、最高気温が30℃以上になり運動遊びを制限する日が年間80日以上(2016年)出現している温暖化が進む日本。暑い国である(熱帯海洋性気候)フィリピンで子どもたちは、どのような運動遊びを展開しているのかも日本の子どもたちの参考にするため知りたいとも思っています。

私たちの活動には、現地の方との交流があり実践型であることから、学生は参加することで、学びが深まると考えています。

ボランティアキャラバンに参加して一緒に学びましょう!