教員コラム

中東・アラブをフィールドに「教育」をみる

教育学部 教育学科 学校教育専攻 講師 中島悠介
エジプトのピラミッドにて
UAEのシェイク・ザイード・グランド・モスクにて
ドバイのインターナショナル・スクールにて

「教育」というワードからは、多くの人は「学校」「教師」「子育て」といったことを連想するかもしれませんが、本来「教育」というのは学校や家庭にとどまらず、どの時代にも、どの場所でも見られる営みです。自身の経験から「あたり前」と思っていることでも、少し視点を変えれば新たな発見があったり、ちょっと立ち位置を変えるだけで思いもよらないことを見つけたりと、その可能性はそれこそ無限大です。

このような楽しさから、私は日本以外の国ぐにの教育について研究しています。といっても、全部の国をみれるわけではありませんので、私が主に対象とするのは中東・アラブの国ぐににおける教育事象です。「どこ?」と思う方も多いでしょうが、「砂漠や石油があって、イスラム教が多くて暑い国ぐに」と考えてもらえればと思います。

「こうした国ぐにの教育は、イスラム教をはじめとした伝統を大切にしながら、欧米諸国や国際化の流れからどのような影響を受けて展開しているのか」といったことが、基本的な研究関心になります。アラブというと「保守的で危ない」といったイメージを持つかもしれませんが、教育にかける情熱はとても強いし、アラビア語だけでなく英語を話す人も多いです。また、道徳や特別活動など、日本の取り組みを参考にした教育活動もみられる点でも、非常に大きな知的刺激が得られるフィールドといえます。

自身が経験してこなかった教育事象に触れることは、自身の「あたり前」を捉えなおし、より理解を深める絶好の機会にもなります。国際化が進行し、どんどん旅行や研修などを通して海外に出ていく機会が増えていますが、ぜひ「教育」にも目を向けてみてください。