2021/03/25
第3回:公認心理師の試験結果から
いよいよ春ですね、卒業式・入学式シーズンです。わが大阪大谷大学でも、数か月前に新しくなった体育館がお披露目となりました。
さて、コロナ禍のなか、資格試験もいろいろと大変だったようです。ちなみに公認心理師の国家試験は、試験スタートから3年目が、延期措置を経て、2020年12月20日の試験日となりました。最終的には、他の国家資格(社会福祉士や薬剤師)の試験日程と同じように2月実施になる予定とされていましたが、今回の試験日延期措置で、そのような日がくるのも、もしかして近い将来かもしれませんね。
今回の公認心理師の合格率はどれくらいだったといいますと、全体の53.4%だったようです。前回は全体の46.4%が合格となっておりましたので、少し増えたような印象です。国家試験開始から5年後までは経過措置の期間なので、いろいろな立場の人が受験することになります。この経過措置の期間が終了した後は、この合格率も変わってくるかもしれません。
ちなみに、正式な大学のカリキュラムが適用されて受験資格を得られる最も若い世代で、2021年度の大学4回生となります。この世代が最短で受験資格を得る時期は、大学を卒業してから2年後ですから、あと約3年です。仮に、公認心理師の教育プログラムを有する大学院の在学中に受験ができる日程(つまり、在学中の2月)になったとして3年弱となります。
他方、2021年度に大学4回生の人が大学院に行かずに実務経験で公認心理師の受験資格を得ようとすると、厚労省が実務経験の機関として認定している現場に就労する必要があります。要は就職活動が必要なわけです。そして、このルートで受験資格を得る場合、担当する事例数や仕事内容の時間数など、さまざまな条件にもよりますが、最短で2年、実質3年とされています。仕事をしながら資格試験の勉強をするわけですから、ある意味、大学院ルートで受験資格を得る以上に学力も努力も必要になってきます。時折、「勉強が苦手だから、大学院に行かずに実務経験で受験資格を得たいのですが」と相談?してくる人もいらっしゃるようですが、資格試験合格を優先するなら、勉強時間の確保などの観点では、大学院ルートの方が可能性は高いかもしれません。
なお、2021年度時点で、大学に在籍して公認心理師の受験資格を考えている人で、本学の人間社会学科に在籍している場合、心理実習など4回生まで単位を修得しないといけない科目もありますので、卒業するまでに取りこぼしのないようにしましょう。卒業後、1科目でも公認心理師受験資格に必要な科目の単位が取れてない場合、大学などの公認心理師のカリキュラムが保障されている教育機関に再入学を検討するか、公認心理師を取得することを断念するかのどちらかになります。