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【歴史文化学科】学生が「歴史文化フィールドワーク」の授業で奈良の天理に行って来ました。10/5(土)

2019/10/26

大学からマイクロバス3台に分乗し、午前9時に出発。大阪外環状線、西名阪道を通って、10時すぎに天理参考館に到着しました。

天理参考館

「千と千尋の神隠し」に登場する湯屋のような巨大な入母屋造りの建物。1930年に創設された考古民族博物館で、大学附属博物館としては日本有数の規模です。1階にはアイヌからはじまるアジアを中心とした民族資料、2階にはアメリカスの移民資料と日本民俗資料、交通文化資料、3階には考古資料など、約3,000点が常設展示されています。

入館後、アイヌの展示コーナーで立ち止まり、本を開いて熱心に見入る学生がいました。聞いてみると、アイヌにとても興味があり、北海道の白老にも行ってみたいとのことでした。頼もしい学生です。

アイヌの展示(天理参考館) 日本家屋で記念撮影(天理参考館)

石上神宮

昼食後、石上神宮に行きました。

伊勢神宮とともに神宮称を名のる日本最古の神社です。主祭神は布都御魂(フツノミタマ)と布留御魂(フルノミタマ)、天璽瑞宝十種(アマツミズタカラトクサ)の三神です。また、古くから伝わる国宝の「七支刀」は、日本書紀の神功皇后5 2年条に見える「七枝刀」にあたるとされています。

案内は石上神宮の研究をしておられる藤井稔先生(本学非常勤講師)にお願いしました。万葉歌碑と拝殿、出雲健雄神社の三か所で、分かりやすく概要を説明してくださいました。大変有難うございました。

藤井稔先生の説明 (石上神宮) 拝殿と禁足地 (石上神宮)

国指定史跡 西山古墳

石上神宮の次は古墳の見学です。西山古墳は全長約180mの前方後方墳です。前方後方墳としては日本最大の規模を誇りますが、前方後方形の段の上に前方後円墳が載った珍しい墳丘をもつ古墳です。後方部の中央には竪穴式石室が内蔵されていますが、大戦時に高射砲が備え付けられていたそうです。出土遺物から4世紀の中頃から後半に築造されたと考えられます。配布資料を見ながら熱心に説明を聞いています。

西山古墳の説明 西山古墳の墳丘が見える

塚穴山古墳

西山古墳の北側にある径63.4mの円墳で、長さ約17mの横穴式石室が露出しています。明日香村の石舞台古墳に匹敵する墳丘と横穴式石室をもつことから、石上神宮の奉祭氏族であった物部氏の有力者の墓と推定されています。出土した須恵器から7世紀頃に築造されたと考えられます。クリップボードの上に野帳を開き、熱心にメモをとる学生の姿が印象的でした。

塚穴山古墳の巨大な積石 横穴式石室に入る

国指定史跡 黒塚古墳

天理市の柳本町にある全長約130mの前方後円墳です。1998年の発掘調査で竪穴式石室から、三角縁神獣鏡33枚と画文帯神獣鏡1枚が出土しました。三角縁神獣鏡は魏の皇帝が邪馬台国の女王卑弥呼に下賜した鏡だと考えられています。

隣接する展示館には竪穴式石室の実大模型と出土した鏡のレプリカが展示されています。展示ケースを覗き込みながら、三角縁神獣鏡の細部の違いを丹念に観察している学生がいました。

竪穴式石室の説明 墳丘の説明

 

これで予定した見学はすべて終了しました。国道169号線を南下、左手に初期ヤマト王権の奥津城である崇神天皇陵、景行天皇陵、箸墓古墳などの巨大古墳、右手に二上山を見ながら帰途につきました。

学生のみなさん、一日お疲れ様でした。(T.T.記)

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