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人間社会学科発 「ある臨床心理士からのミニ情報」4

2013/06/26

第4回:心理学は心理学の専門家だけによって説明されている 

今回は「心理学」の表記に注意していただきたいと思います。社会が複雑になればなるほど「心理学」の重要性や関心度は高まるようです。そして、学校や会社などで、人間関係のトラブルがあると、心理学の知識が利用できないかと書籍やインターネット情報を検索することもあれば、カウンセラー(覚えていますか?心理学の専売特許ではありません)に相談することもあるかもしれません。

 書店に行けば、「~の心理学」というタイトルの本はたくさん見つけることができます。ただし、それらのすべての書籍が心理学の専門家によって書かれたものではありません。なかには、ジャーナリストが書いている場合もあれば、心理学以外の専門家によって書かれた書物が「~の心理学」となっていることもあります。

 例えば、犯罪心理学は人々の関心をひく分野の1つといえます。そこで、「犯罪心理」の表記がある書籍では、著者が「精神科医」つまり、医師が執筆されている場合もあります。もちろん、心理学に詳しい精神科医もいらっしゃいますが、医学と心理学は基本的には異なります。それ以外にも「これが心理学なんだ」と思って得られた情報が心理学の専門家ではない方々によって作成されていることもあります。「人の心」を探求する学問は、心理学だけではありません。精神医学や哲学、宗教学など、いろいろなアプローチがあります。

 大学に入る前に「これから心理学を勉強するぞ」と思っていた方が、「イメージとは違う」と心理学から離れていく場合、そのイメージ自体が心理学とは別物であることがほとんどです。例えば、占いと心理学のコーナーが区別されていない書店があります。ちなみに、「なぜ人は占いを信じるのか?」のような疑問が心理学の研究テーマになることはありますが、占いそのものは心理学ではありません。

 何が心理学なのかは、領域も方法も広いですので、一言では言えません。是非、皆様自身が確認してみてはいかがでしょうか?このミニ情報でも少しずつ明らかにできることはお伝えしていきたいと思います。

(人間社会学科教員:小西 宏幸)


 

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