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チャリティシンポジウム「今だからこそ、熊本城を考える。」を開催しました。6/25(土)

2016/07/01

6月25日に本学にて、チャリティシンポジウム「今だからこそ、熊本城を考える。」を開催しました。

4月の震災で大きな被害を受けた熊本、および熊本城の復興を支援するため実施したこの企画。

緊急企画ということもあって、準備期間にあまり余裕がなかったのですが、東は東京、西は熊本から多数の来場者をお迎えすることができました。

当初予定していた会場から、収容人数のより多い会場へ変更しての開催です。

会場の入り口には、熊本の方々から提供していただいた被災状況の写真を掲示しました。

尾山学長からの開会挨拶ののち、まずは熊本城をこよなく愛する本学の馬部隆弘講師が、シンポジウムの趣旨説明を行いました。

それに続いて、村田修三氏(大阪大学名誉教授)の基調講演「熊本城から見た近世城郭の成立」です。

城下町や城の出入り口にあたる虎口の発達から、近世城郭の成立を論じ、その過程のなかに熊本城を位置づけました。

堀口健弐氏(吹田市立博物館)からは、「熊本城の石垣の魅力」と題してご講演いただきました。

熊本城の石垣の見所を写真を交えて紹介したうえで、文禄慶長の役にて加藤清正が築いた西生浦倭城と熊本城の石垣に共通点があることを指摘されました。

中井均氏(滋賀県立大学教授)からは、「東アジア史からみた熊本城」と題してご講演いただきました。

熊本城の構造上の特徴や、朝鮮半島でみられる滴水瓦が熊本城にも使用されている事実を指摘したうえで、これらは文禄慶長の役で得た加藤清正の経験と密接に関わるものだと論じられました。

最後に、4人が登壇してのシンポジウムです。

熊本城の見所や魅力について議論を深めつつ、熊本城復興への末永い支援を訴えました。

今回のシンポジウムでは、以上の口頭報告のほか、紙上報告も事前に募っていました。

おかげさまで、多くの方々の熊本城に対する思いが詰まった充実した資料集ができあがりました。

紙上報告編の目次を以下に掲げておきます。

第1部

熊本城調査研究センター「特別史跡熊本城跡の地震被害」

第2部 「私が考える熊本城の魅力」

髙田徹「熊本城の天守・小天守―その縄張りについて―」

中西裕樹「古写真の熊本城と城下町」

松岡利郎「熊本城の縄張と建築」

多田暢久「熊本城天守への思い」

稲葉継陽「近世における熊本城の被災と修復」

花岡興史「熊本城の魅力 加藤清正信仰と熊本城『昭君の間』」

山田貴司「熊本城普請の開始時期とその政治的背景」

野田恭子「熊本城の魅力」

朝永清寿「熊本城ガイド」

吉野徹朗「くまもと新町古町復興プロジェクト」

小池恵子「熊本城と共に・・」

浜崎一義「熊本城鳥瞰図」

今村克彦「熊本地震と熊本城復元整備」

毛利秀士「熊本地震 惣構えの城下町・新町」

植本夕里「清正流石垣のルーツを求めて」

当日の配付資料に若干の残部があります。

送付を希望される方は、送付先を明記のうえ、400円分の郵便切手を同封して下記までお送りください。(2016年8月末日で締切とします。)

〒584-8540 富田林市錦織北3-11-1

大阪大谷大学 歴史文化学科 馬部隆弘

なお、配付資料の作成にあたっては、歴史文化学科の学生たちに手伝ってもらいました。

当日も、会場までの案内や受付などを率先して手伝ってもらい、大変助かりました。

受付に設置した募金箱には、240,472円もの義援金が集まりました。

いただいた義援金は、大学でとりまとめのうえ、日本赤十字社を通じて被災地にお届けします。

来場者アンケートには、「熱のこもったお話ばかりで感動しました」「ずっとこれからも関心を寄せていくつもりです」「気長に支援を続けていきたい」と、企画の趣旨に賛同していただく声や、熊本を応援する声が多く寄せられました。

最後になりましたが、ご講演・ご寄稿くださった先生方、またご来場いただいた皆様、そして2日間にわたりお手伝いしてくれた学生のみなさん、本当にありがとうございました。

遠くからですが、我々の応援の声が少しでも熊本に届けば幸いです。

(文責:B)

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