2014/09/25
歴史文化学科では、8月29日(金)から9月10日(水)にかけて、大阪府南河内郡河南町・太子町に所在する一須賀古墳群の測量調査を行いました。
一須賀古墳群の測量調査は今年で3年目です。
平成24年度はK11号墳・K12号墳、平成25年度はK9号墳・K10号墳・K13号墳の測量調査を行いました。
昨年度をもってK支群の測量調査が一段落したため、今年度は、さらに東側に位置するL支群の測量調査に着手することになりました。今回、測量調査を行ったのは一須賀L3号墳およびその周辺です。
測量調査に先立ち、8月29日(金)・30日(土)に、古墳周辺の草刈りおよび測量基準杭の設定を行いました。29日には、河内長野市教育委員会に嘱託職員として勤務している松本祐樹君(本学科卒業生)も手伝いにきてくれました。
今回の測量対象である一須賀L3号墳を正面からみたところです。墳形は円墳で、墳丘の南側に横穴式石室が開口しています。入口付近に羨道の天井石が転落してしまっています。
L3号墳の墳丘を背後から見たところです。墳丘内外に繁茂していた草を刈り込み、墳丘の現況がかなりわかりやすくなりました。
L3号墳の東側には別の古墳があり、横穴式石室の天井石が露出しています。
予備日をはさみ、9月1日から測量調査がスタートしました。
大学院生が「スタッフ」(測量器具の一種、大型の定規のようなもの)を立てています。古墳の測量調査では、自然地形と、人為的な地形改変箇所を的確に見分けていくことが大切です。
なお、各種測量器具についてはこちらを参照。
学生が、「レベル」(水平を測る測量機器)を覗いています。
「平板」の上で、「アリダード」(方向を測る測量器具)を覗いています。
平板による測量調査は、2~4人が一組になって作業を行います。作図した図面と現地形を比較しながら点検しているところです。
手前に見えるのは、L3号墳の東側に隣接する別の古墳の横穴式石室です。
「平板」が古墳の一番高い地点に据えられています。
手前の穴は、L3号墳の横穴式石室の盗掘坑です。
今回行った「平板」による測量調査は、手作業による、かなり“アナログ”な方法ですが、一つ一つの作業をきちんと行うことにより、正確な図面を作成することができます。
(その2へ続く >>>)