2014/04/30
「文化財学会」は、大阪大谷大学文化財学科(現・歴史文化学科)に所属する教職員・学生・卒業生が中心となって活動している学会です。2月28日(金)には平成25年度の活動成果を総括する学会が開かれました。
午前中は、平成25年度の総会が開催され、犬木学科長による平成24・25年度の会計報告ののち、田中専任講師による監査報告が行われました。
ひきつづき、文化財学科としての平成25年度の活動報告が下記の通り行われました。
①「羽曳野市松村家古文書調査について」小倉 宗(本学部准教授)
②「和泉市美術工芸品調査について」田中健一(本学部専任講師)
③「河南町一須賀古墳群測量調査について」犬木 努(本学部教授)
文化財学科では、歴史学・民俗学領域、美術史学領域、考古学領域という3領域において、それぞれ地元大阪に所在する歴史遺産の調査研究を実施しています。今回は、調査風景のスナップ写真などもまじえながら、調査の概要が報告されました。
その後、和泉大樹氏(阪南大学国際観光学部准教授)による「河南台地における石塔造立に関する研究」と題する講演が行われました。和泉さんは、大学にもほど近い千早赤阪村の職員として文化財行政に携わるかたわらで、博士論文を執筆し、今年3月に本学大学院より博士号が授与されました。
午後は、本学文化財学科に所属する今井澄子准教授および長友朋子准教授による講演が行われました。
今井澄子「ブルゴーニュ公国の美術―フィリップ善良公の注文作品を中心に―」
長友朋子「弥生時代における土器生産の展開について」
学生たちは、ふだんの講義とは一味違う、より専門的な講演内容に興味深く耳を傾けていました。
引き続き、各ゼミから選ばれた7名の学生による卒業論文発表が行われました。本日のメイン・イベントとも言えるものです。各学生の卒論のテーマは以下の通りです。
①井堀直向「畿内大型横穴式石室の分類と編年―大和を中心として―」
②山村琴美「東大寺南大門仁王像に関する考察―運慶、重源の唐に対する意識―」
③蜂木理恵「和歌山城石垣の考古学的研究―織豊期を中心として―」
④岡本侑也「あほだら経―江戸のストリート・ミュージック―」
⑤堀中康介「江戸時代後期に誕生した天理教の現代までの経緯」
⑥山本 諭「明治期の新聞記事に見る怪異・妖怪」
⑦河野麻友「フェルメールの手紙画から読み解く―女性と手紙―」
各学生の発表が終わると、ゼミ担当教員が講評を行います。
卒業論文発表の終了後は、別の教室に移動して「懇親会」が行われました。お茶やジュース、お菓子や寿司、オードブルなどをつまみながら、教職員と学生たちがなごやかに歓談しました。
今年度の文化財学会は、例年にも増して多くの教職員・学生・関係者が出席し、充実した一日となりました。来年度も活発に活動していきたいと思います。
平成26年度からは、学科名称が「歴史文化学科」に変わりましたので、「文化財学科」としての「文化財学会」は今回で最後ということになります。来年度の「歴史文化学会」が盛会となることを期待したいと思います。
(文責:I・T)