2012/08/20
文学部文化財学科の「美術史実習」では、近隣の寺社や博物館・美術館を回っています。今年度前期は、日本美術を中心に実施しました。
5月12日には、京都の蓮華王院三十三間堂と、細見美術館で開催中の展覧会『酒井抱一と江戸琳派の全貌』展を見学しました。
蓮華王院三十三間堂には、約千体の千手観音像と二十八部衆像が安置されています。大変な数の仏像に圧倒された受講生も多かったようです。
また、細見美術館では、江戸時代後期の酒井抱一の作品を集中的に見学することができました。細かな筆遣いに、みな見入っていました。
6月2日には、奈良国立博物館と興福寺を見学しました。
奈良国立博物館では、「なら仏像館」を見学しました。インド、中国から日本の中世・近世までの幅広い仏像を見学することができました。学芸員の先生の説明を聞いたあと、事前に調べてきたことを仏像を前にして発表し、全員でその内容を検討しました。
興福寺では、国宝館にて、主に奈良時代と鎌倉時代の仏像に集中して見学しました。奈良時代の代表的な作品である八部衆像・十大弟子像の個々の表情などを熱心に観察する受講生の姿もありました。
また、6月30日、7月7日、7月8日には、和泉市教育委員会との共同調査として、日蓮宗寺院の妙泉寺様で仏像調査を行いました。
これまでの見学や、学内での予行練習を踏まえ、仏像の大きさを測ったり、状態を記録したり、写真を撮影したり、あるいは像にたまったホコリを除いたりと、暑い中、大汗をかきながらの調査になりました。
調査の緊張のなかで、仏像がこれまで守り伝えられてきたことの意味をそれぞれが感じ取ったようです。