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【歴史文化学科】公開講座「戦国時代の家臣団編成と文書行政―年寄・奉行人・奉書の比較―」を開催 10/29(土)

2022/11/04

歴史文化学科では公開講座を毎年企画し、志学台キャンパスにて開催しています。今年度は、「戦国時代の家臣団編成と文書行政―年寄・奉行人・奉書の比較―」と題した企画を10月29日(土)に実施しました。

本学科で城や武士に関する企画をする際は、熊本城復興支援企画と位置づけ、義援金を募っています。過去の企画は以下のとおりで、今回で4回目となりました。

第1回熊本城復興支援企画

https://www.osaka-ohtani.ac.jp/blog_campus/literature/003812.html

第2回熊本城復興支援企画

https://www.osaka-ohtani.ac.jp/topics/201704_4319.html

第3回熊本城復興支援企画

https://www.osaka-ohtani.ac.jp/blog_campus/topics/005292.html

今回のテーマの一つともなっている奉書とは、主人の意向を支配地域に伝えるために家臣が出す文書のことで、裁判結果を通知するときなどに用いられます。戦国時代の権力を分析するうえで奉書という視点は欠かせませんが、一般には未だ聞き慣れない用語かと思われます。そこで、戦国時代の文書行政について実態に即してわかりやすく説明することで、研究の最前線に触れていただく機会となるよう企画しました。

奉書の差出人は上級家臣の年寄である場合と文筆官僚の奉行人である場合がありますが、それぞれの権力によって傾向が異なります。そのため、今回の企画では、奉書を比較することでそれぞれの権力における家臣団編成や文書行政のありかたについて、その特徴を浮かび上がらせることも目標としました。比較するにあたって、今回は畠山氏・六角氏・細川氏・三好氏など、近畿の諸権力を第一線で研究する講師陣を揃えることができました。

まずは、八尾市立歴史民俗資料館の小谷利明館長が、「戦国時代の古文書を読む」と題して基調講演をされました。長禄4年(1460)に畠山義就は嶽山城に籠もって幕府軍と戦います。この合戦の最中に出された幕府の奉行人奉書などを分析し、それらを戦国的な奉書の始まりと位置づけました。

なお、嶽山城は本学から目と鼻の先で、2号門の階段からみて正面にあたる山に所在しました。現在、「亀の井ホテル 富田林」(旧「かんぽの宿 富田林」)が建っている山です。

引き続き小谷館長から「畠山氏の事例」というテーマで講演していただきました。当主を支える人々が変化すると奉書も変わることが示されました。

次に登壇したのは近畿大学の新谷和之准教授で、「六角氏の事例」というテーマで講演していただきました。複数の家臣グループが存在することや、文書発給における彼らの役割分担について説明がなされました。

続けて、本学の馬部隆弘准教授が登壇し、「細川氏の事例」というテーマで論じました。細川家の奉書は、幕府の簡略版であることを示しました。

最後に登壇したのは天理大学の天野忠幸准教授で、「三好氏の事例」というテーマで論じました。幕府との関係性の変化によって奉書の出しかたも変わることを説明されました。三好長慶生誕500年にあたる今年、各地の講演会に引っ張りダコのお忙しいなか来ていただきました。

講演が終わった後は、馬部准教授が司会に立ち、講師全員でのシンポジウムへと移りました。各権力における奉書の共通点と相違点を確認し、文書行政の特質について意見が交わされました。

各権力が用いた奉書は、室町幕府の様式を模倣する形で成立したと考えられますが、文書行政の進展とともに様々な場面で用いられるようになり、署名する人数が異なるなど、権力ごとに特徴が見出されるようになります。

ところが、戦国期の権力に関する研究は、権力ごとに独自に進められる傾向にあり、横断的に比較されることはあまりありません。こういった研究状況は「蛸壺」的だとしばしば揶揄されます。そのような研究状況を打開するという点においても、また一般の方々に奉書の解説をするという点においても、今回の企画は極めて斬新だったかと思います。

ありがたいことに、全国各地から158人もの受講申し込みがあったのもそのためと考えられます。密にならないよう抽選した結果、受講者は絞られましたが、北は北海道、西は鳥取県から56人の受講者がいらっしゃいました。

当日は、学生諸君が受付などを手伝ってくれました。お疲れ様でした。また、講師の先生方には、お忙しいところお集まりいただきありがとうございました。最後になりましたが、募金に応じてくださった皆様にも感謝申しあげます。

(文責:B)

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