特別支援教育専攻

  • 特別支援学校コース
  • 小学校特別支援コース
  • 幼稚園特別支援コース

障害の有無に関わらず、様々な人々が生き生きと輝く共生社会へ

障害のある子どもを自立や社会参加へと導くため、一人ひとりが主人公となる取り組みを支援すること、誰もがお互いに人格や個性を尊重しあえる共生社会を築くこと、それが特別支援教育の理念です。この理念を実践するために求められるのは、障害を科学的に理解する医学的専門性、検査や行動観察を通して丁寧に実態把握する心理学的専門性、一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導・支援を実践する教育学的専門性です。医学、心理学、教育学の3領域に専任スタッフを揃えた本専攻では、特別支援学校教諭免許の取得を基本とし、特別支援学校や小学校、幼稚園などで体験的に学びを深めることにより教育現場に即した得意分野をみにつけ、特別支援教育をリードできる教員を養成します。

特色(教員メッセージ)

多くの人と手を取り合い、支援を実践できる教員に

教育学部 教授 小田 浩伸

2007年度から特別支援教育制度が実施されて以来、一人ひとりのニーズに応じた教育が特別支援学校だけでなく、地域の小学校や中学校、高等学校においても推進されてきました。特にLD(学習障害)やADHD(注意欠陥多動性障害)、高機能自閉症など、通常の学級にも支援を必要とする子どもが一定の割合で在籍していることが明らかにされたことは、特別支援教育が地域の学校でナチュラルサポートとして展開する大きなきっかけとなりました。現在、その流れは幼稚園にも拡がり、一人ひとりのニーズに応じた早期からの教育的対応が求められています。このような特別支援教育への期待に応えるためには、支援を必要としている子どもに気づき、的確に実態把握するクールヘッド(冷静な頭脳)と、一人ひとりの得意なことを活かし、指導・支援のあり方を探求するウォームハート(温かい心)が求められます。

また、特別支援教育の推進のカギとなるのは特別支援教育コーディネーター※です。現在では小中学校では全ての学校で、幼稚園、高等学校を含めた全体でも80%以上の学校で指名が実施されています。子どもにとって適切な支援を実現するためには「人と人とをつなぐ」という視点が欠かせないのです。特別支援教育専攻では、自らが支援を実践できるだけでなく、将来、特別支援教育コーディネーターとして、多くの人たちと手を取り合って、知恵と力を引き出し、子どもへの支援・連携へと結びつけることができる教員を育てたいと思っています。

※特別支援教育コーディネーター:保護者の相談窓口役として、学校内外の関係者・機関との連絡調整役として、連携強化を図るための役割です。特別支援学校のみならず、全ての園、学校において指名されるものとして位置づけられています。

教育方針

子ども一人ひとりの実態把握が的確にできる教員を育てる。

一人ひとりの長所を活かし、個別の教育的ニーズに応じた指導を探求する教員を育てる。

人と人とをつなぐ特別支援教育コーディネーターの資質を備えた教員を育てる。

コース紹介

志望する教育現場の課題に応じて専門性を身につける3コース

特別支援学校コース

特別支援学校の教員をめざすコースです。特別支援学校での現場体験を通して、複数の教員で担当する授業(ティーム・ティーチング)や障害による困難を主体的に改善・克服する指導(自立活動)等、特別支援学校での教育活動に携わる専門性を高めます。また、障害の重度・重複化・多様化や医療的ケアなど特別支援学校が直面する課題に対応できる教員をめざします。

『自立活動指導論』
「自立活動」の考え方と内容及び指導方法の習得をめざします。具体的には、コミュニケーションや人間関係、身体の動きに関する指導について学びます。また、演習を通して個別の指導計画のPlan(計画)-Do(実践)-Check(評価)-Action(改善)の手順や方法についても身につけます。
『重複障害教育総論』
特別支援学校に在籍する児童生徒のうち、半数近くの児童生徒が重複障害を有しており、障害の重度・重複化への対応が課題となっています。こうした状況を踏まえ、障害の重い子どもや重複の障害がある子どもについての基礎理解をするとともに、実際に特別支援学校で行われている実態把握や指導・支援の方法について学びます。

小学校特別支援コース

小学校の特別支援学級の担任や通級指導教室(通常の学級に在籍している障害のある子どもの個別指導)を担当する教員をめざすコースです。小学校での現場体験を通し、個々の障害の状態に応じた個別指導や少人数指導のあり方を学びます。また、障害のある子どもと障害のない子どもが共に学ぶ授業(交流及び共同学習)が実践できる教員をめざします。

『発達障害教育総論』
発達障害(LD、ADHD、高機能自閉症、アスペルガー症候群など)の理論と、特性に応じた指導・支援方法の習得をめざします。具体的には、①実態把握の方法、②具体的支援の方法、③教材の作成演習を学びます。また、保護者との連携、理解啓発の方法、通常の学級における支援のあり方についても学びます。
『教育心理検査法』
この授業では、認知機能検査や発達検査、質問紙式検査など、様々な検査法についての知識や理論を得るとともに、グループ演習を通して体験的に検査法を学びます。さらに、検査結果の解釈演習も行うことで、一人ひとりの長所を活かした指導・支援を実践する力を身につけることをねらいとしています。

幼稚園特別支援コース

幼稚園での特別支援教育を推進する教員をめざすコースです。早期からの教育的対応に取り組んでいる幼稚園で教育現場を体験することで、日常の保育活動の中での早期の気づきを重視し、就学前からの支援(早期の支援)を実践する力を養います。また、幼児集団の中で自然に行う支援(ナチュラルサポート)を習得し、障害の有無に関わらず全ての子どもたちとってわかりやすい保育が行える教員をめざします。

『特別支援教育指導法演習Ⅰ』
知的障害や肢体不自由、発達障害(LD、ADHD、高機能自閉症、アスペルガー症候群など)の子どもの実態把握や指導・支援の方法を実践的に学ぶ授業です。数人でチームを組んで、支援を要する子どもの指導を実際に担当し、「個別の指導計画」を作成します。また、同時に保護者相談も担当し、相談を受けるときの心構えや保護者との連携のあり方についても学びます。
『障害児保育』
近年、ほとんどの障害幼児が、就学前に幼稚園・保育所・通園施設等で保育を受けるようになっています。この授業では保育者をめざす人のために、障害児保育制度の歴史と現状、障害についての知識、障害児保育の実際、障害児をもつ父母やきょうだいへの援助等について理解を深めることをめざします。