宗教行事

本学は、宗教教育の充実を目指した校祖左藤了秀師の信念を継承し、大乗仏教の精神を拠り所として教育・研究活動を展開してきました。

釈尊の提唱した仏教は、あらゆるいのちが平等の尊厳をもって存在することを説く宗教です。
この点を特に強調して、平等と和合の社会の実現を目指したのが大乗仏教運動です。
一人ひとりが自分の個性を最高に輝かせ、しかも互いに敬い慈しみあうことのできる和やかな集いの場をつくること、それが本学の願いです。

建学の精神を確認しあい、のちの世代へと伝えてゆくため、本学では、礼拝の集いをもっています。礼拝とは、わがいのちの意味と行動の規範とを示してくださった仏祖の徳を讃嘆する(ほめたたえる)行いです。経典を読んだり讃歌を歌ったりすることには、そういう意味があります。それによって、仏祖に対する感謝の意をあらわし、その教えにしたがう決意を表明するのです。
日常の礼拝は、「講堂(18号館)」において行います。ここには「南無阿弥陀仏」の六字名号をご本尊とした仏壇が安置されています。授業実施期間の毎週水曜日昼休みに勤行と法話の集いを行っております。
また、春には「花まつり」、秋には「報恩講」の法要を勤修します。礼拝ののち、講演会などを催しますので、ぜひ参加してください。特に1回生には、「宗教学」の授業の一環として、全員の出席を求めます。

春の花まつり

春の花まつり
春の花まつり

花まつりは、釈尊の誕生日の法要です。釈尊の誕生は、古来4月8日のことと伝えられていますが、本学では5月中旬に勤修します。花まつりには、花御堂に御安置した誕生仏に甘茶をそそいで、釈尊の誕生を祝います。これは、釈尊誕生のとき、天から甘露の雨がふりそそいだという言い伝えによるものです。

秋の報恩講

秋の報恩講
秋の報恩講

報恩講は、親鸞聖人のご命日の法要です。親鸞聖人の滅後、その遺骨をおさめた東山大谷の廟堂では、毎年のご命日に、聖人の遺徳をしのぶ法要が勤められるようになります。それを報恩講と名づけたのは、聖人の曾孫にあたる覚如上人です。
永仁2年(1294)、親鸞聖人の三十三回忌法要に際し、覚如上人は『報恩講私記』を著して、報恩講の理念と方式とを明らかにされます。その後、覚如上人は、大谷廟堂を本願寺と公称し、これを中心とする真宗教団の基礎固めに生涯をかけられますが、その事業は、報恩講の精神に支えられたものでした。
報恩講は、本願寺とその末寺はもちろん、一般門徒の家庭においても勤められるようになります。親鸞聖人の教えを仰ぐ者にとって、報恩講は一年の中心行事なのです。本学では、11月28日の御正忌よりも約一月はやく勤修します。

秋の報恩講

ほかにもいくつかの行事がありますが、毎年必ず勤めるのは、校祖左藤了秀先生のご命日法要「了秀忌」です。ご命日は12月4日ですが、本学では12月の第1水曜日に「了秀忌」を勤めます。玄関の了秀先生の像にお花を供え、昼休みには講堂において先生の遺徳をしのぶ法要を勤修します。