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歴史文化学科公開講座「博物館を語る―成熟社会と博物館の役割―」を開催しました。10/28(土)

2017/10/31

歴史文化学科では、毎秋、歴史文化に関する公開講座を開催し好評を博しています。今年は「博物館」をテーマに取り上げました。

日本は1960年代から飛躍的な経済成長を続け、世界第二位の経済大国になりましたが、その後、石油ショックや円高、後進国の追い上げによって、止む無く低成長時代に入りました。そして、大量生産、大量消費社会への反省に立って、人間本来の豊かさや生活の質を重視する成熟した社会へと移行しつつあります。このような時代に、博物館はどのような役割を果たすことができるのかを明らかにしたいと考えました。

写真1 趣旨説明する竹谷俊夫教授

まず、考古学を専門とする犬木努教授が「東京国立博物館を語る」と題して講演しました。

犬木教授は東京国立博物館の歴史を、1881(明治14)に上野公園で開催された第2回内国勧業博覧会で建設された旧本館を嚆矢として、現本館、法隆寺宝物館、表慶館、東洋館、平成館などの建物から通観し、博物館を魅力ある場所にしていくことが何よりも重要であると提言しました。

つぎに、日本古代史を専門とする竹本晃講師が「奈良県立万葉文化館を語る」と題して講演しました。竹本専任講師は万葉文化館の組織や展示、屋外の遺構展示などについて熱く語り、これからの博物館は、見学者の年齢にとらわれないバリアフリー展示を行うと共に、文化的な普及活動の大切さを強調しました。

写真2 熱弁する竹本晃講師

最後に、博物館学を専門とする竹谷俊夫教授が「韓国の博物館を語る」と題して、韓国の国立博物館の変遷をトレースし、2005年に開館した龍山の国立中央博物館を取り上げ、その施設と展示を詳しく紹介しました。韓国文化を世界に発信しようとする国家の意気込みが伝わってくる施設です。

その後、休憩をはさんで、竹谷教授の司会のもと、犬木教授と竹本講師の三人で成熟社会における魅力ある博物館とは何かを討論しました。

写真3 討論する講師陣
写真4 講演会をサポートしてくれた共同研究室のスタッフ

当日は、台風22号の影響により生憎の雨模様となりましたが、長時間にわたる講座に熱心に耳を傾けてくださいました参加者の皆様方には、誠に有難うございました。

また、講演会の裏方として活躍してくれた共同研究室スタッフの皆さんにも、厚くお礼申し上げます。(T.T.記)

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