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歴史文化学科の学生が「歴史文化フィールドワーク」の授業で奈良の天理と桜井に行って来ました。10/6(土)

2018/10/16

大学からマイクロバス3台に分乗し、大阪外環状線から西名阪自動車道を通って天理参考館へ。歴史文化学専攻の院生もTAとして同行し、学生たちの指導をサポート。

途中、台風25号の影響による豪雨に見舞われましたが、天理参考館に到着するころには小降りになっていました。

天理参考館

天理参考館は1930年に創設された考古民族博物館で、大学附属の博物館としては日本有数の規模と言ってよいでしょう。1階にはアイヌからはじまるアジアを中心とした民族資料、2階にはアメリカスの移民資料と日本民俗資料、交通文化資料、3階には考古資料など、約3,000点が展示されています。

3階の企画展示室では、特別展「華麗なるササン王朝―正倉院宝物の源流―」が開催されており、ササン朝ペルシア(37世紀)の金銀器、ガラス容器など、正倉院宝物の源流を彷彿とさせる遺物が展示されていました。

見学を終えて外に出て見ると、雨は上がり青空が広がっていました。

謎の「巨石人頭像」(天理参考館) 人物埴輪と記念写真(天理参考館)

石上神宮

昼食を済ませた後、石上神宮に向かいました。伊勢神宮とともに神宮称を名のる日本最古級の神社です。主祭神の布都御魂(フツノミタマ)は神武天皇がもっていた横刀、布留御魂(フルノミタマ)は物部氏が神武天皇に献じた天璽瑞宝十種(アマツミズタカラトクサ)、布都斯御魂(フツシミタマ)は素戔嗚尊が八岐大蛇を退治した十拳剣と伝えられています。また、古くから伝わる「七支刀」は『日本書紀』神功皇后52年条に見える「七枝刀」にあたるとされ、泰和(太和)四年の金象嵌銘から369年に百済王から倭王に伝わった刀と考えられます。

案内は今年も本学非常勤講師の藤井稔先生にお願いしました。クリップボードの上に野帳を置き、熱心にメモをとる学生の姿が印象的でした。藤井先生、有難うございました。

藤井稔先生の説明を聞く(石上神宮) 拝殿と禁足地の説明を聞く(石上神宮)

黒塚古墳

天理市の柳本町にある全長約130mの前方後円墳です。1998年の発掘調査で竪穴式石室から、三角縁神獣鏡33枚と画文帯神獣鏡1枚が出土し、世間の注目を集めました。それは出土した三角縁神獣鏡が魏の皇帝が邪馬台国の女王卑弥呼に下賜した鏡だと考えられるからです。隣接する展示館には竪穴式石室の実大模型と出土した鏡のレプリカが展示されています。展示ケースの鏡を覗き込みながら、三角縁神獣鏡の違いを丹念に観察している学生がいました。

黒塚古墳から国道169号線を南下し、左手に初期ヤマト王権の奥津城である崇神天皇陵、景行天皇陵、箸墓古墳などの巨大古墳を見ながら、邪馬台国の候補地である纏向遺跡を通って桜井市立埋蔵文化財センターへ向かいました。

後円部で説明を聞く(黒塚古墳)  鏡のレプリカを見る(展示館)

桜井市立埋蔵文化財センター

三輪神社の一の鳥居の向かい、国道169号線沿いにあり、桜井市内の発掘調査で出土した旧石器~歴史時代の遺物を展示しています。とりわけ、邪馬台国の宮都があったと推定される纏向遺跡からは、韓式土器をはじめとして東海、近江、河内、吉備など、全国各地の土器が出土しています。また、古墳出土の色とりどりのガラス玉は息をのむ美しさでした。小さな展示室ですが、大変見ごたえのある充実した展示でした。

学生のみなさん、蒸し暑い一日、お疲れ様でした。(T.T.)

桜井市立埋蔵文化財センターにて 展示品を見る(同センター)
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