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文学部の学生が「博物館実習」の館園実習として、三重・愛知の博物館・美術館へ行ってきました。9/10(木)~9/12(土)

2015/09/24

今年は2015年9月10日~12日の2泊3日の日程で、斎宮歴史博物館・INAXライブミュージアム・徳川美術館・名古屋市博物館を訪問しました。
 

◇1日目は「斎宮歴史博物館」を見学

ここは国の史跡に指定されている斎宮跡に建てられた博物館です。斎宮は歴代天皇に代わって伊勢神宮に仕えた斎王が住んでいた宮殿です。斎王は未婚の内親王の中から亀の甲羅を使って占う卜定によって定められました。

博物館では学芸員の中川明さんから斎宮のことや発掘資料のお話を伺い、展示室Ⅰ「文字からわかる斎宮」を見学、映像展示室では「斎王群行」を視聴、斎王が都から伊勢へと旅をする様子を学ぶことができました。展示室Ⅱ「ものからわかる斎宮」では、発掘調査によって地面から様々な情報が得られていることがわかります。

展示室を見学した後はバックヤードへ、発掘された考古資料の整理作業を行っている様子や収蔵庫を見学、資料の保存方法や運搬方法などについて教えていただきました。バックヤードに入るのは初めてという学生が多く、疑問に思ったことを質問し、理解を深めていました。

斎宮歴史博物館を出発した後、移動途中に平安時代の復元建物3棟を中心とした史跡公園「さいくう平安の杜」の整備事業の様子を見学。この秋一般公開され、記念イベントが開催されるのが楽しみです。

 


◇2日目の午前中は「INAXライブミュージアム」を見学

ここは、日本「六古窯」の一つで海に囲まれた焼き物の町、常滑にある企業博物館です。敷地内にある「世界のタイル博物館」には、タイル研究家の山本正之さんが常滑市に寄贈された25カ国のタイルやINAX独自のタイル資料が展示公開されています。

展示場を見学する前に、企画担当の中斎紀夫さんと学芸員の竹多格さんより、博物館の成り立ちやタイルについて教えていただきました。

 

続いて展示場へ移動。入ってすぐの壁にはBC3500年頃にメソポタミアのウルクで考え出されたクレイペグという円錐形の焼物が復原展示されています。復原したクレイペグは地元の子供達と共同で一つ一つ手作りしてモザイク模様に再現したそうです。よくみると不揃いなところが愛らしい。手作りの温かみを感じさせてくれます。

 

広い敷地内には、大正時代に土管を焼いていた「窯のある資料館」や、テラコッタが展示された「建築陶器のはじまり館」、ワークショップのできる「土・どろんこ館」などがあり、ここでは、土とやきものについて学びました。

 

◇2日目の午後は、「徳川美術館」を見学

尾張徳川19代義親の寄贈によって、尾張徳川家に伝えられた多くの家宝が収められている美術館です。収蔵品は「駿府御分物」と呼ばれる徳川家康の遺品を中心に歴代の遺愛品や一族が実­­­­際に使用していたものです。国宝「源氏物語絵巻」も収蔵されています。

見学前に学芸員の並木昌史さんより博物館設立の過程や展示概要の説明を受けました。

各展示室は「武家のシンボル 武具・刀剣」や「大名の数寄 茶の湯」、「武家の式学 能」のようにテーマが設定されています。実際に御茶席や能舞台を設えた展示は、規模の大きさを感じさせました。

2日目の実習では、作品だけでなく展示方法にも注意しながら館内を見学し、熱心にメモやスケッチをとっている姿が印象的でした。

 

徳川美術館前で記念撮影

  

◇最終日の3日目は「名古屋市博物館」を見学

こちらの博物館では、常設展「尾張の歴史」のほか、資料を手にとることのできる「触れてみるコーナー」も設けられています。この日は特別展「魔女の秘密展」が開催されていました。

講座室で博物館のレクチャーと特別展「魔女の秘密展」の解説を受けた後にバックヤードへ移動しました。バックヤードでは、まず10トントラックが入る荷受荷解室へ行き、学芸員の山田伸彦さんより、資料の運搬方法や収蔵庫・展示室の温湿度管理の方法、防犯・防災対策の方法について説明を受けました。実際に使われている設備を前にしての説明は何物にも代えがたい体験となりました。

 2泊3日の館園実習を終え、実際に資料を保存管理している様子や今まで知らなかった博物館運営の一端を学ぶ機会に恵まれ、学生達にとって有意義な実習になったようです。お世話になった各館の皆様に感謝いたします。

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