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歴史文化学科の学生が「歴史文化フィールドワーク」の授業で奈良の天理に行って来ました。10/4(土)

2014/10/08

大学からマイクロバス2台に分乗し、外環状線から西名阪、国道169号線を通って天理参考館へ向かいました。

 

天理参考館

到着早々、学生たちの口から、博物館の建物が「千と千尋の神隠し」に登場する湯屋に似ているとの声が上がりました。

天理参考館は1930年に創設された考古民族博物館で、大学附属の博物館としては日本有数の規模と言ってよいでしょう。1階にはアジアを中心とした海外の民族資料、2階には移民資料と日本民俗資料、交通文化資料、3階には考古学資料が展示されています。考古学資料には、日本と朝鮮半島、中国、オリエントの4つのコーナーがあり、なかでも中国考古資料は大変見ごたえのあるものです。何回来ても新しい発見がある魅力的な博物館です。

 美しい新羅の瓦を写真に撮る

 

昼食は天理教のお茶所をお借りしました。

 

石上神宮

天理市布留町にあり、伊勢神宮とともに神宮称を名のる日本最古の神社です。主祭神の布都御魂(ふつのみたま)は神武天皇がもっていた横刀、布留御魂(ふるのみたま)は物部氏が神武天皇に献じた天璽瑞宝十種(あまつみずたからとくさ)、布都斯御魂(ふつしみたま)は素戔嗚尊が八岐大蛇を退治した十拳剣と伝えられています。若宮の出雲武雄神社には八岐大蛇の尾から出てきた草薙剣も祭られています。また、古くから伝わる「七支刀」は神功皇后52年条に見える「七枝刀」にあたるとされ、泰和(太和)四年の金象嵌銘から369年に百済王から伝わった刀と考えられています。

案内してくださった天理高校教諭の藤井稔先生に感謝します。

 

 熱心に説明を聞き、メモを取る

 

西山古墳

天理市杣之内町にある全長約180mの前方後方墳です。前方後方墳としては日本最大の規模を誇りますが、前方後方形の段の上に前方後円墳が載った珍しい墳丘をもつ古墳です。後方部の中央には竪穴式石室が包蔵されていますが、大戦時に高射砲が備え付けられ、大きな損傷を受けています。出土遺物から4世紀後半に築造されたと考えられます。

 

塚穴山古墳

天理市勾田町にある径63.4mの円墳で、長さ約17mの横穴式石室が露出しています。明日香村の石舞台古墳に匹敵する墳丘と横穴式石室をもつことから、石上神宮の奉祭氏族であった物部氏の墳墓と推定されています。堀から出土した須恵器から7世紀頃に築造されたと考えられます。

 

 巨大な横穴式石室に入り、その大きさを実感する

 

黒塚古墳

天理市柳本町にある全長約130mの前方後円墳です。平成10年(1998)の発掘調査で、竪穴式石室から三角縁神獣鏡33枚と画文帯神獣鏡1枚が出土し、一躍有名になりました。それは三角縁神獣鏡が魏の皇帝から邪馬台国の女王卑弥呼に下賜された鏡だと考えられているからです。隣接する展示館には本物と瓜二つの石室と三角縁神獣鏡のレプリカが展示されています。古墳の上に立つと、南側に織田柳本藩の陣屋址が見えます。黒塚古墳は陣屋の築山としても利用されていました。

 

 三角縁神獣鏡の精巧なレプリカに釘づけ

 

帰りは国道169号線を桜井方面へ南下、車窓からは初期ヤマト王権の奥津城である崇神天皇陵、景行天皇陵、箸墓古墳などの巨大な古墳が見えました。邪馬台国の候補地である纏向遺跡も通過しました(文責T.T.)。

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